まずは「知る」ことから
当院には様々な症状なトラブルで多くの方がご来院されますが、まず症状を追うことよりも、「なぜ痛むのか?」「なぜその症状がでるのか?」「なぜ繰り返すのか?」といった「なぜ?」に向き合って欲しいと考えています。
そのため、セッション中にはお話しする時間をしっかりと取っていきます。
ただ、長いことこの仕事に携わっていますが、多くのことを経験する中で「そんなことはどうでもいいから、何とかしてほしい」という方が多い傾向でした。もちろん、「早く何とかして欲しい」「原因や理由に興味ない」と思う方がいるのもわかります。ですので、私の考えを強要することも押し付けることもありません。
そのため、初回はあくまで「体験」という形にしており、「求めてるものと違う」ということであれば、体験のみで終了でいいと思っています。初回では検査を兼ねて、痛みや症状を緩和するための施術というのも行なっていきますが、検査目的ですので初回ではデモンストレーション以上のことは行いません。
初回は症状緩和より、お身体を取り巻く現状の把握と、問題点を抽出することが重要だと考えています。
何もないところに痛みや不快な症状は現れません。
基本的には、生活習慣や行動習慣、生まれつきの特性、身につけてきた体の使い方などに由来することがほとんどですので、そういったことを差し置いて、対症療法だけを繰り返していてもいたずらに改善するのを長引かせるだけですし、他の問題へと波及してしまい収拾がつかなくなります。
ですから、まずはお話をお聞きして、検査や評価をして、アセスメントと計画を立てて、しっかりと時間をかけて説明や解説をさせていただきます。「疑問を解決したい」「本当のことを知りたい」という方にとっては、とても有意義な時間になると思いますが、興味ない方にとっては「ちょっと違うな」と思われるでしょう。それは仕方のないことです。
基本的なコンセプトは「自分で自分の体をコントロールできるようになって欲しい」ということを目指していますので、知識や方法などを具体的に共有し、それぞれの目標に合わせてサポートさせていただいております。
目標にフォーカスする力
一つ一つ対処していけば身体は変化していきますが、長い時間をかけて変化して今の状態があるように、現状を変えようと思えば、努力と根気が必要になります。課題は「自分がその問題を解決したい」という想いの強さと、どれだけフォーカス(集中)して行動を変えられるかです。
例えば、生まれつき靭帯が柔らかい方は、足の骨格が緩みやすく、過剰回内足(かじょうかいないそく)という足のトラブルを起こしがちです。(下図左)この過剰回内足の捻れは全身に波及し、膝痛、腰痛、猫背という具合に問題が拡大していきます。
全体重がかかる足なので変化させるにはかなり根気と努力が必要ですが、しっかりと向き合って対処すれば人の体は素直に応えてくれます。ちなみに、この方はここまで2週間。
「なんとかしたい」という想いの強さが行動を変えると、これだけ短時間でも自分で骨格をコントロールできるようになります。
生活習慣、行動習慣、生まれつきの特性、身につけてきた体の使い方に向き合い、「自分で理解して、自分で変える」という考え方があれば、改善するために年齢性別などは関係ありません。
いつからでも身体は変えることができます。