片側に起きるから片頭痛というわけでもありません
片頭痛と言ってもおよそ4割近くは両側性と言われており、必ずしも片側に起きる頭痛というわけではありません。しばしば片頭痛で起こるズキンズキンという脈打つような頭痛から想像できるように、片頭痛は血管の炎症による拡張から引き起こされる発作的な頭痛です。
ただ、症状については緊張性頭痛とあまり大きな差はなく、随伴する症状も含めその境界は曖昧です。片頭痛が出現する前後に緊張性頭痛が起こることもあり、これらの頭痛は連続体として存在します。ただ、血管が由来の片頭痛は体を動かすことで血行が良くなると、炎症部分に多くの血液が流れることで頭痛は悪化します。
逆に筋・緊張性頭痛は、体を動かすことで筋肉の緊張が解けることによって軽快します。ですが、緊張型頭痛によって頭皮の動脈で拍動性の頭痛がおこることもあり、自覚症状の点においてはやはり区別が難しいケースが多いと思います。
発作の引き金は多岐に渡ります
成人のおよそ10%が片頭痛を持っていると言われ、女性に多く好発します。家系内に片頭痛が発症している人がいる場合が多く見られ、遺伝的な要素が影響していることが考えられます。
それに加え、生活環境、習慣、食生活、アレルギー、喫煙、飲酒、睡眠、肉体的・精神的なストレス、月経周期など、多くのトリガーによって感作され、発作的に脳に過活動が引き起こされることが原因と言われています。
しかし、様々なパターンが存在し、現在でも偏頭痛には多くの仮説が存在し科学的な根拠は未だ確立していません。
片頭痛と筋緊張型頭痛は連動することがあります
偏頭痛は、特定の因子がトリガーとなり、症状を誘発していると考えられています。偏頭痛と緊張性頭痛は連続体であり、緊張性頭痛を曇りの状態と例えると、偏頭痛の状態は雨とも言えます。雨は晴れていれば降ることはありません。
そのため、偏頭痛発作が出づらい状況を作り出すためには、緊張性頭痛をコントロールしていくことが重要です。緊張性頭痛と偏頭痛は多様な症状を起こす点で共通していますが、特定の因子がトリガーとなり、片頭痛を誘発している可能性があるため、頭痛が起きた際には前後の状況をメモに記録しておくと、片頭痛発作への対策を講じやすくなります。
頭蓋骨の中心に位置する蝶形骨を解放する
片頭痛は、顔面や目の感覚を司る三叉神経が持続的なストレスにさらされることで血管に作用し頭痛発作が起きます。蝶形骨は頭蓋骨の中央に位置し、複数穴が空いており顔面に抜ける神経の通過する骨です。
通常、頭蓋骨はある程度の遊びがありますが、顎の咀嚼筋により特定の位置に固定されるとその遊びがなくなり、神経の動きを阻害し神経過敏な状態を作り出します。顎の問題は多くの場合、"Tooth Contacting Habit"【TCH】(上下歯列接触癖)によって、常時上下の歯を接触させてしまう癖ですが、咀嚼筋が緊張状態に置かれるため蝶形骨を引っ張り続けます。
姿勢による顎の位置の変化や、長時間の連続作業などのストレスで起こりやすく、日常的にデスクワークを行う方に多く見られます。
蝶形骨リリースは、蝶形骨の動きをその場で解放しますので、マッサージなどでは得られない、顔面や目の奥、頭がスッキリとした感覚を感じられます。合わせて、姿勢、TCH、肩甲骨にトレーニングや調整を加えていくことで、片頭痛発作は減少していきます。片頭痛の治療に、薬以外の治療法としてご提案致します。