膝には歩くだけで体重のおよそ3倍の負担がかかります
成長期にしばしば起こる、オスグッド・シュラッター病に始まり、加齢に伴う変形性膝関節症など膝の痛みもまた幅広い年代の悩みのタネになっています。
膝は、体の中でも下方に位置する関節であり重力の影響を受けやす環境にあります。当然、痛みや動きのコントロールを行いにくく治療期間も長引きがちです。
さらに、膝の痛みをかばうことによって全身の動作にも影響が広がっていきます。それらは、本来の膝の動きから遠ざけ、さらに膝に負担がかかることで悪循環に陥ることもあります。
膝の痛みを悪化させる要因
膝の多くのトラブルは、膝の動きがバランスを失っていることが影響しています。私たちは歩き方や立ち方など、体の使い方を誰からも教わらずなんとなく体得しています。
多くの場合、体にとって負担のかかる使い方をしていても気付いていない方がほとんどです。それらバイオメカニクスを無視した使い方は、長い時間をかけ体にストレスを蓄積し、多くの障害の原因になります。
全身の動きは連動しており、人には不具合を補完しあう代償という防御機構が存在します。そのため膝の治療においても足の骨格、股関節、体幹などの機能に目を向け、膝のみに捉われず広い視点で検討していく必要があります。