5本指ソックスはいまだに根強い人気
5本指ソックス。皆さん一度ぐらいは履いたことがあるんではないでしょうか?
始まりは結構古く、1970年にスペインの会社が特許を出したのが最初です。結構歴史があります。もう40年以上前です。
【足の指を動かすことは健康の源】をコンセプトに広く、長く親しまれています。
効果効能としては、血行促進による冷え性改善。扁平足や外反母趾の改善。
5本指ソックスを履いた状態で足圧の計測などをしてバランスが良く圧力がかかるようになり、踏ん張りが効くことでバランスが良くなり姿勢が良くなる。などが挙げられるようです。
そもそも足の指を靴下の中でバラバラに動かす必要があるの?
5本指ソックスの形は手袋にとても良く似ています。手袋の役目は保護です。寒さや暑さ、多くの刺激から守ってくれます。その上で、作業を行うために自由に指が動くような構造になっています。では、5本指ソックスの役目は何でしょうか?
足の指で何か作業を行うため?そんな人いるのでしょうか?足の指が動かせるから血行改善に良いという触れ込みですが、足の指をモジモジ動かすことは想像できません。
足圧のバランスは正常な重心の状態であれば、つま先側に22%。かかと側に78%の圧力がかかるのが通常です。つま先側に体重がしっかりとかかっている状態は、足元のバランスを失いやすく、好ましくありません。
5本指ソックス最大のデメリット
結論から言うと、5本指ソックスは足の骨格がゆがみやすくなります。
5本指ソックスもは指全体を生地が覆うため、足の指の間に靴下の生地が入り込みます。生地の厚さは2mmくらいでしょうか。
指全体が覆われている事になりますから、指の間は4箇所に隣り合う指の生地が重なり単純に計算して、だいたい1.6cmくらい足部を開く計算になります。
すなわち、5本指ソックスはつまさきが広がる開帳足というトラブルを引き起こす原因になります。
それだけで済めばまだ良いのですが、実は外反母趾や扁平足なども開帳足を含めた一連のプロセスを経て起こっています。そのことはあまり知られていません。
足の骨格は精密にできています
足部は全身の中で一番と言っていいほど強い負荷がかかっている場所です。人体には成人でおよそ200個強の骨がありますが、その約3割は両足に集中しています。数にすると両足で50個から60個くらい。(骨の数は個人差があって、人によって違います。)
ひとつひとつの骨が靭帯で結合し、連動して動きます。そして、刻々と変化する地面の状況変化に対応するために靭帯や筋力によって高い次元でバランスが保たれています。骨や関節の形。配置される靭帯や筋肉よって、動き方も決まってきます。
安易に人工物を入れて調節できるものではありません。テーピングで親指を元に戻すように引っ張ったり、指の間にクッション挟んで広げようとしたり、下がってるアーチにクッション挟んだりすることは、トラブルの解決には逆効果になることがほとんどです。
他にも効果が謳われるもの
- 足の指に挟むような健康グッズ
- 外反拇趾矯正サポーター
- 土踏まずを押し上げるアーチサポーター
- ショックを吸収しやすいようにぐにゃぐにゃのインソール
本来、これらの商品は状況を選び、必要な方は極限定された状況の方です。例えば、やわらかいインソールなどは、土台を不安定にさせるので健康な人には悪影響でしかありませんが、高血糖により免疫が低下し、傷ができると化膿しやすい糖尿病の患者さんだったり、慢性的な関節炎があるようなリウマチの患者さんなどには皮膚や関節を保護する役目として良い場合もあります。
5本指ソックスにしても靴下の中の蒸れを抑えますので、通気性の悪い靴をよく履く方や汗かきの方には有効だったりします。何を優先するかは人それぞれですが、万人を健康にする商品は存在しませんので、ご自身の状況、状態に合わせてうまく利用していきましょう。
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