背筋の痛みの原因は、コアの働きの機能低下
ヒトが自立して活動するためには、脊柱を支える抗重力筋の存在が欠かせません。細かい椎骨の連結、それを支える筋肉や靭帯によって、さまざまな姿勢や運動を作り出すことができます。
背中は、体幹部を構成する重要な部分のため、腕や足を使う場合であっても背中を介して運動が連鎖していきます。ですが、猫背など背中がまるまってしまうのは背筋にすべての原因があるわけではありません。
体幹を支えるのに大きな役目を果たしているのは、腹圧と呼ばれる体の中の圧力です。様々な要因で低下した腹圧を支えるために背中は酷使され続けます。
コアや肩甲骨を安定させ、背骨を柔らかく保つのが重要
背中では、しばしば筋膜の癒着やコリが問題になります。
脊柱起立筋群は、脊柱と並行するように走行する長い筋肉群です。その中でも部分的に筋・筋膜が癒着や線維化を起こすと、その部分は阻血状態になり、血行不良を引き起こします。
発痛物質や疲労物質が滞留することにより、神経が刺激され痛みを伴うようになります。背中の痛みの原因は、肩甲骨や体幹を固定するためのインナーの筋力が低下している場合がほとんどです。
本来、背中の表面にある筋肉は姿勢を安定させたりする役割というよりは、体の大きな動きを担うための筋肉です。
関節を安定させるための筋肉の働きが弱いと、それらは本来の役割でないため、姿勢を維持するのに使われると大きな負担がかかります。
そのため、まず弱い筋肉を使えるようにしてから固くなった筋肉を緩めます。アプローチの順番を間違えると、すぐに戻ってしまい、いつまで経っても良くなりません。