痛みを感じたり成績が伸び悩んでいませんか?
- レッスンの度に痛む場所がある
- 技術向上が周囲よりも遅く、精度が低い
- 油断するとすぐ演技が乱れる
- 自然に体が動かず、体の動かし方を意識してしまう
このような状態が続いてるようなら、技術が足りないと一言で片付けることはできません。
そして、残念ながらこの状態を練習量だけでカバーすることもおそらくできないでしょう。無理に練習量でカバーすると悪循環に陥り、精神的にも疲弊しスランプになってしまいます。
姿勢からすべてがはじまる
まずは人間としての基本的な身体能力を機能させることが大切です。
全てのスポーツは、それぞれの競技特性に合わせた技術があります。ですが、それらは人間の持つ立つ、歩くなどの基本的な能力があればこそレベルを上げることができます。
もちろん誰しも立ったり、歩くことはできると思っています。
ですが、このような本能的に備わっている能力は誰からも教えられることなく自然に身につけているはずです。競技を始めると、競技特性に応じた姿勢、立ち方、歩き方などを指導者から教わるはずです。
ですが、忘れてはいけないのはそれ自体が技術であり、その技術は人間の基礎能力の上に成り立ちます。そのためその技術を習得する前の基礎能力が発揮されていなければ、正しく身に付けることはできません。
姿勢から全ての運動が起こる以上、全ての運動のスタートである「姿勢」が乱れていれば、当然そこから紡ぎ出させる全ての運動は乱れたものになります。
特に、バレエやダンスなどの身体表現では、柔軟性、筋力、バランス能力が高度に要求されます。これらの能力の何かひとつでも欠ければ、レベルアップは望めませんし、怪我につながります。
負担が溜まるメカニズム
- 特定の関節が固ければ、別な関節が余計に動いて柔軟性をカバーします。
- 特定の筋力が弱ければ、別な筋肉が余計に緊張して動きをカバーします。
- 自然にバランスが保てなければ、より意識を使って保とうとします。
これらは「代償」という人間の持つ防御反応です。
代償は私たちの意識のないところで行われていて、なんとか目的を達成しようと強引に体を動かしています。ですが、このようなストレスがある程度蓄積することで、いずれ関節、筋肉、神経のダメージが限界に達し様々な症状を引き起こします。
問題はその代償を行なっていることに気づいてないことと、指摘すらされることが無いと言うことです。特にバレエダンサーは、柔軟性とバランス能力が非常に高く、筋力の問題を隠し見つけづらくしている傾向にあります。
「回転」や「静止」に強い基礎運動能力を作る
より美しく歩き・走る、より高く安定して跳ぶ、指先や足先を柔らかく使う。
コマのようにブレずに回転する、時間が止まるかのように静止する。
技術が高度になればなるほど、基礎力が重要になります。
優れた成績を残す表現者ほど、演技は美しく、怪我は少なく、演技が楽しいと感じています。その高い技術力は、人間としての能力をしっかり引き出しているからこそ成り立っています。
表現者である以前に、人間であるということ。
一見遠回りなように感じますが、まずそこに立ち返ることはとても重要なことです。