長期化、再発する理由
スポーツ障害は多くは、反復した高強度の負荷が原因となり、障害の発生する共通点として多くの場合、肘、肩、膝、股関節など関節付近に集中して起こります。
体を連結する関節付近は、細かいインナーマッスルや靭帯によって支えられておりその強度は大きな筋肉に比べれば低く、トレーニングによって鍛えることも限界があります。
繰り返される加減速や遠心力、衝撃による負荷によって少しずつ損傷していくことになります。
スポーツ障害においても痛めた場所にだけ目がいきがちですが、スポーツは全身運動であり障害を引き起こす原因が痛めた場所から離れた場所にあることも少なくありません。
競技特性よりもまずは基礎運動能力
例えば野球やバレーボール、ゴルフなどの投球やスイング動作では、全身の回旋運動を遠心力に変え、体の末端を加速させてパワーを生み出します。
そのため、体の中心であるコアから生み出された運動を末端までスムースに伝えていく必要があります。
そこで、体幹から骨盤や股関節、膝や足、胸郭や肩甲骨。そのどこかでエネルギーの伝達を妨げる要素があると、最終的にエネルギーを伝える部分に大きな負荷がかかることになります。
ダッシュやジャンプなど多く繰り返す競技なども同様です。足の骨や踵、足首、膝、股関節、骨盤。衝撃などの負荷を分散させるにも全身のスムーズな関節の動きが必要です。
スポーツは障害を防ぐにはまず姿勢から
全てのスポーツは、それぞれの競技特性に合わせた技術がありますが、それらは人間の持つ立つ、歩くなどの基本的な能力があればこそレベルを上げることができます。
競技技術を習得する前の基礎能力が発揮されていなければ、正しく身に付けることはできません。
姿勢から全ての運動が起こる以上、全ての運動のスタートである「姿勢」が乱れていれば、当然そこから起こる全ての運動は乱れたものになります。
そのため、まずは基礎運動能力をしっかり身につけることが、パフォーマンスを向上、怪我から早期回復、予防につながっていきます。