上殿皮神経障害
(じょうでんぴしんけいしょうがい)
突然のギックリ腰でも、しばらくすれば良くなるだろうと様子を見る方は多いと思います。恐らくほとんどの場合、腰痛の大部分は特別な処置をしなくても数日から1週間程度で強い痛みが治まっていくと思います。
ですが、痛みの変化がなく、強くなっていくようなことがあると単なる疲労などからくる腰痛ではないのかもしれません。
上殿皮神経障害による腰痛は、腰痛全体の約5〜10%とも言われていますが、あまり広く知られていないのが現実です。適切な治療が受けられず慢性化してしまい、諦めている方も多くいます。
上殿皮神経障害の症状
こんな腰痛ではありませんか?
- 痛みを感じた時から症状が横ばいで、悪くなってる感じがする
- 動かなければそうでもないが、動くと寝返り程度でも痛む
- お風呂に入ったり、体が温まると楽になる感じがある
上殿皮神経が絞扼されると、腰を捻ったり、反らす、立つ、座る、歩くなど、腰の動きに伴い強く痛みます。ひどくなると常時痛みが続き、日常生活も制限されていきます。
上殿皮神経が絞扼される場所は、背骨から指4本分外側の部分で骨盤のやや上でよく起こります。
その付近に圧痛がある場合は、上殿皮神経障害を疑います。
腰痛が続くと、その痛みに伴い交感神経は興奮し、血管は収縮し、筋肉は硬化していきます。それにより、神経も強く締め付けられ、より痛みをより伝えやすくなるため、最初に腰痛を感じた時から徐々に悪化するように腰痛が増していきます。
上殿皮神経障害の治療
上殿皮神経は、上部の腰椎(L1、L2、L3)から始まり、脊柱起立筋、腹筋群、胸腰筋膜を貫き、お尻の表面に分布します。体表近くを通るため、比較的容易に見つけることができます。痛みの出るポイントを押すと、そこがトリガーとなり痛みが広がっていきます。
神経周辺の結合組織の癒着を取り除き、神経を除圧していくことで治療を行います。
神経障害は、早期に適切な場所の処置を行うと、比較的早く改善していきます。ですが、腰痛は他の要素も合わせて併発している場合もありますので、慎重に経過観察をすることも重要です。
自分でできるケア方法
- 腰と骨盤の境目あたり(背骨から指4本目安)を押して、痛い場所を探す
- 痛みのあるところの皮膚の抑えて、皮膚を揺すって動かすような感じでマッサージする
ポイントは、組織の間の神経の滑走性を上げることが大切ですので、やみくもに強く刺激するのではなく、固まった組織をほぐすようなイメージで行ってください。
1回でなんとかしようとするよりも、時間をおいて繰り返し行っていくことをお勧めします。上殿皮神経だけの問題で比較的軽度のものであれば、これを続けていくだけでも改善していきます。
ただ、腰痛は一つの問題で起きることは少なく上殿皮神経が障害されるに至った理由が必ず存在しますので、症状が繰り返されたり芳しくない場合は他の問題も考えていかないとなりません。
体外衝撃波を使った
神経の周辺のリリース
「すぐに改善したい」という方には、即効性のある方法として「体外衝撃波療法」を運動療法と併用して行っていきます。
衝撃波と振動を利用して、体の中から神経の周りの癒着やコリをほぐしていくことで即効性のある改善効果を得ることができます。
体外衝撃波療法の詳細につきましては、以下の解説ページからご覧ください。
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