避けられない二足歩行によるリスク
人類が二足歩行をするようになっておよそ400万年。アウストラロピテクスの時には、すでに二足歩行を行なっていたそうです。地球上には様々な哺乳類が存在しますが、現在のところ完全な直立二足歩行が可能なのは人類だけ。
二足歩行が可能になりヒトは多くのメリットを得ましたが、それと引き換えにリスクを伴う様にもなりました。
とりわけ足は、二足歩行になったことで人体下部に位置する様になり、重力の影響を強く受けるようになったことで多くの負担がかかるようになってしまっています。
気づかないうちに歩行は曲がってる
私たちは生まれてから今日まで、自然と立ち上がり歩き始めました。その過程の中で機能的に正しい歩き方を知り、学習、練習をする機会をほとんど得ないまま過ごしています。
歩行の一歩一歩はそれほど大きな負担にはなりませんが、人間はいっぱい歩きます。学校に行く、会社に行く、買い物に行く、遊びに行く。
一歩一歩が小さな負担だったとしても、たくさん行えば本人の自覚のないままダメージが蓄積し、ある日突然痛くなるのです。
そして、体は自己治癒力を使って治そうとしますがなかなか良くならない。それは、異常歩行による負担がかかり続けているからです。
足を見ることの意味
あなたがもし足に限らず慢性的な症状を何ヶ月も長年も引きずっているとしたら、足を見直してみるのはとても重要なことです。
外反母趾、偏平足、足底筋膜炎、モートン病、シンスプリント、鵞足炎、ランナー膝(腸脛靭帯炎)など足に起きるトラブルに限らず、膝痛、股関節痛、腰痛、首肩痛と、足の問題は必ず全身に影響が波及します。
例えば、外反母趾がある方には必ず扁平足もあり、足の裏にタコも作ります。膝は内側に捻れ、骨盤は前傾して腰が反り、背中や肩は丸まり、頭は前に突き出ます。一概に全て足が引き起こす訳ではないですが、少なからず足の形状によってはこのように連鎖的に体が誘導されてしまうのです。
人間の構造の中で、「足」はとても重要な機能を果たしています。欧米では「足病学」という足を専門に取り扱うお医者さんがいるほどです。
当院が足を見ることにも力を入れているのにはこう言った理由があるからです。全身に起こる慢性痛を見る上で足への介入は必要不可欠で、絶対に軽視できないのです。